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料理から読み解くナショナリズムとパトリオティズム

板橋・自然派ワインとフレンチ「Bistroむじか」です。

最近気になっている言葉を掘り下げて考えてみました。
ちょっとセンシティブな言葉が登場しますがあくまで料理の話です。

=====
江戸前寿司は〇〇主義!
=====
そんなお話です。

最近、日本の「右傾化」なんてことが言われてますね。
まぁ日本に限りませんけど。


そこで気になったのが「愛国」や「愛国心」という概念。


漢字で書くとすっごい右よりな感じです。
「かんじ」なだけにwww


さて、この「愛国心」、英語で言うと「パトリオティズム」。
そしてちょっと似たような概念の言葉に「ナショナリズム」と言う言葉があります。

この2つ感覚的には似ている気がするんですが別物。
と、言うことで2つの言葉をざっくり定義付けしてみます。

ナショナリズム
=国家や民族を最優先した考えで国家主義とか民族主義なんて言われますね
政治的なニホヒがプンプンします。
・・・「国のために○ね!」とか言いそう

パトリオティズム
=自分の国やその文化や共同体を愛する感情
・・・ご飯美味しいし
   桜が綺麗だし
   花見とか月見とかあるし
   日本っていいよね〜

みたいな感じ。
あくまで個人の感想です。


さてここからが本題。
この2つの概念を料理にあてはめて考えてみます。

するとさっきまでネガティブなイメージしかなかった
ナショナリズムと言う概念がガラっと変わります。


例えば
ナショナリズム(以下N)=外へ誇示する力
パトリオティズム(以下P)=内に愛着を育む力
と定義すると

====
江戸前寿司はナショナリズムを象徴する料理!
====

他にも
イタリア人にとっての「ピッツァ」
そして、フランス料理のソース
これらは紛れもなく「N」の料理。


対して各地の郷土料理や
カリフォルニアロールは「P」の料理。

今はなきエルブジやノーマなどは
この「P」の料理を至高の域に高めたレストラン。


今で言うとペルーのセントラルもかな。

自国の食文化と他国の食文化を融合させた唯一無二のストランです。

この「N」的料理のいいところは
正統性や統一感、そしてブランドが一目?一食でわかるところ。

寿司といえば日本!みたいな。

対して
「P」的料理のいいところは自由、柔軟さ、そして継承や融合を感じさせるところ。

色々と変化してるけど根底には筋が通ってます。

例えば私でいえば
フランス料理のソースに日本酒を使うみたいな。


別にどちらが優れているとか劣っているとかではありません。

それどころかどっちも必要で
両方の存在がお互いの「美」をより際立たせている感すらある。


ビストロむじかは「P」型。

日本の食材を使ってフランス料理の技法で料理を作る。
(時には和食の技法も使って)


両方の国に対して尊敬と愛情を持って接しています。
別に『N』的料理を作ろうと思ってないし作れないですからね。
 

この2つの概念をどのように感じますか?
 

ではまた!